日本の祝日



日本の祝日の意味 知っていますか?>
    

 世界の国々では、その国の伝統や文化、歴史に由来した日を祝日として定めています。
日本の祝日も古来の伝統や歴史を伝える大切な日。
昭和23年に定められた「国民の祝日に関する法律」(平成17年改正)にも
「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、
ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、
これを『国民の祝日』と名づける」とあります。
しかし、週休2日制が定着しつつある今日、月曜日を休日にして3連休とし、
経済効果を期待したり、余暇を過ごしてもらおうとする、いわゆるハッピーマンデー法
の影響もあり、これまで私たちが大切にしてきた祝日の意義が薄れつつあります。
現在、「国民の祝日」は1年に14日あります(平成19年以降は15日)。
それぞれの祝日が持つ意味やメッセージをあらためて考えながら、
国旗を掲げて家族みんなでお祝いしましょう。


日本の祝日の意味を正しく知ろう!

年のはじめを祝う。
元日
1月1日

年の始めに年(歳)神さまを迎え、もてなすことが正月行事の中心です。
家庭では門松を立て、しめ縄を張り、鏡餅や御神酒を供えておまつりします。宮中では、天皇陛下により「四方拝(しほうはい)」などが行われます。
また、元旦には氏神さまをはじめ神社への初詣が行われます。
おとなになったことを
自覚し、みずから生き
抜こうとする青年を
祝いはげます。

成人の日
1月
の第2月曜日

もとは旧暦の小正月にちなんで1月15日でした。
古くは、男子の「元服」や「褌祝い」、女子の「成女式」がこれにあたりました。
明治時代には、十分な教育を受けさせて社会の仲間入りをさせようと、20歳をもって成人とすることとなりました。
建国をしのび、
国を愛する心を養う。

建国記念の日
2月11日

神武天皇が橿原の宮に即位された日(『日本書紀』)を太陽暦に換算し建国の日と定めました。
明治6年に「紀元節(きげんせつ)」として祝日となりましたが、戦後は一旦廃止されました。
その後多くの国民の声により、昭和41年にあらためて国民の祝日に加えられました。
この日は大日本帝国憲法が発布された日(明治22年)でもあります。
偶然ですが、当園の創立記念日もこの日であります。
自然をたたえ、
生物をいつくしむ。

春分の日
3月21日ごろ

毎年2月に国立天文台が翌年の「春分の日」(暦要項)を公表して決まります。
この日の前後3日をあわせて「彼岸」といい、家々で祖先をおまつりして、墓参りをし、家庭では「ぼたもち」をいただきます。
宮中では、歴代の天皇・皇后・皇族のみたまをまつる「春季皇霊祭」が行われます。
激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
昭和の日
4月29日
平成19年から「みどりの日」が「昭和の日」にかわります。

昭和天皇のお誕生日は、平成元年に「みどりの日」として祝日になりましたが、その趣旨は昭和の時代を顧るにはほど遠いものでした。
そのため、多くの国民の要望をうけて、平成17年にようやく「昭和の日」に改正されました。
昭和天皇とともにあった時代をあらためて見つめ直してみましょう。
日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
憲法記念日
5月3日

占領軍のもと、わずか1週間あまりでつくられた憲法は、国際法上も問題があり、日本が独立を回復してからも一度も改正されることなく現在に至っています。
近年、現行憲法は現実の国際社会や国民生活にそぐわない点が多く指摘され、国会でも活発に論議がなされています。
あらためて日本にふさわしい憲法について考えてみましょう。
自然に親しむとともに、
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ。

みどりの日
5月4日
平成19年から「国民の休日」が「みどりの日」にかわります。

昭和61年に「国民の休日」の名称で定められましたが、平成19年からは「みどりの日」としてその意義が明確になります。
日本の国土は約70%を山地に囲まれています。
自然がもたらしてくれる恩恵に感謝しつつ、私たちが直面している環境問題や自然保護、世界の緑化について考えてみましょう。
こどもの人格を重んじ、
こどもの幸福をはかると
ともに、母に感謝する。

こどもの日
5月5日

「端午の節供」とも言われ、5月5日に蓬(よもぎ)などの薬草や菖蒲などで厄払いをしたことに由来します。
武士の時代には「勝負」と「尚武」をかけて武を尊ぶ節目として祝うようになり、江戸時代には男の子の成長と立身出世を願う行事として定着しました。
「鯉のぼり」や「甲冑」を飾り、柏餅やちまきをいただき、菖蒲湯を楽しむなどしてお祝いしましょう。
海の恩恵に感謝すると
ともに、海洋国日本の
繁栄を願う。

海の日
7月
の第3月曜日

明治天皇の東北・北海道巡幸の際、横浜港にご安着された7月20日を「海の記念日」として定めたことに由来します。
平成7年の阪神淡路大震災では空路陸路が麻痺するなかで海上交通が大きな威力を発揮しました。
私たちの生活や産業、外国との接点として大きな役割を果たしてくれる海に感謝しつつ、地球規模での海洋汚染防止などについて考えるきっかけにしましょう。
多年にわたり社会に
つくしてきた老人を敬愛し、
長寿を祝う。

敬老の日
9月の第3月曜日

聖徳太子が身寄りのない病人や独人きりの老人たちの救援施設である悲田院(ひでんいん)を設立した日と伝えられています。
日本では古くから年配者に対する尊敬と感謝の気持ちを強く持って、お年寄りをいたわってきました。
他の国ではあまり見られないお祝いの日です。
日本は世界一の長寿国。
あらためて「老人を敬愛する心」の重要性について考えてみましょう。
祖先をうやまい、なくなった
人々をしのぶ。

秋分の日
9月23日ごろ

国立天文台が毎年公表する「秋分日」によって決まり、「春分日」同様、この日の前後3日間をあわせて彼岸といいます。
この間にはお墓参りをし、祖先をおまつりしましょう。
“暑さ寒さも彼岸まで”というように、この日を境に季節は秋へと移ろいを見せます。
宮中では「秋季皇霊祭」が行われます。
スポーツにしたしみ、
健康な心身をつちかう。

体育の日
10月
の第2月曜日

昭和39年10月10日に東京オリンピック開会式が行われたことを記念して定められました。
東京オリンピックは、戦後の日本の復興を象徴する国をあげての一大行事でした。
また、この日が選ばれたのは、観測史上、晴れる可能性が高い日だったためです。
近年、子どもたちの体力低下が問題となっています。
スポーツなどで体を動かし、健康な心身を養いましょう。
自由と平和を愛し、
文化をすすめる。

文化の日
11月3日

明治天皇のお誕生日であるこの日は、昭和2年に「明治節」として祝日と定められ、国民に親しまれてきました。
昭和23年には、近代文化が目覚ましい発展を遂げた明治の時代を念頭に、「文化の日」としてあらためて定められました。
また、日本国憲法が公布された日(昭和21年)でもあります。
現在では、皇居において文化勲章の授与式が行われます。
勤労とたっとび、生産を
祝い、国民たがいに感謝
しあう。

勤労感謝の日
11月23日

この日、宮中では天皇陛下が天照大御神をはじめ神々に新穀をお供えし、御自身もお召し上がりになる「新嘗祭(にいなめさい)」が行われます。
これにあわせて全国の神社では新穀の収穫を感謝するおまつりが行われます。
現在、日本の食料自給率は約40%で、食料のほとんどを輸入に頼っています。
あらためて食の恵みについて考えてみましょう。
天皇の誕生日を祝う。
天皇誕生日
12月23日

第125代の天皇として即位された今上陛下のお誕生日であるこの日は、平成元年に祝日として制定されました。
皇居では、三権の長や大臣を招いての祝宴や各国大公使を招いての茶会が開かれます。
また、一般参賀が行われ、大勢の人々が二重橋を渡って皇居にお祝いに訪れます。

この内容は月刊若木 第676号付録「正しくわかる・伝えられる 日本の祝日と国旗・国歌のハンドブック」より引用しました。

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